ラカン再開:「《盗まれた手紙》についてのセミナー」翻訳と注釈3

私の「欲望学」は、欲望の観点から西洋哲学史を読みなおす試みでもあるが、この試みには、従来のジェンダー論、フェミニズムを、できる限りポジティブに読みなおす作業も含まれる。
少しずつ、慎重に仕事をすすめたい。

                        ∴

本日のブログ記事では、訳文のみを公開する。
前回までの注釈には原語が多く出てくるので、一般の読者から読みにくいとの指摘があった。
今回の訳文の注釈は、少し工夫して、次回の記事で書く。


これまでの訳文については、さらに解説を追加しながら、変更を行う場合がある。

例えば、「執拗な存立〔中での存立〕」。これは、今回の訳文のなかにある「外への‐存立」と相関しうる概念だろう。

また、意訳のなかでも「把握」という硬い訳語を使っているが、いずれ、これについても説明する予定である。



前回までの翻訳(意訳)

「 《盗まれた手紙》についてのセミナー

そんでそれがおいらに運よくできるなら、
そんでそれがうまく運ぶなら、
それが思考=思想というもんだ。

 反復自動症(反復強迫)の原理は、われわれが記号的に意味する連鎖の執拗な存立中での存立〕と呼んだもののなかで把握されるわけだが、このようなことを、われわれは、これまでの探究によって再認するに至ったのである。」

第1段落の2番目の文章

②Cette notion elle-même, nous l’avons dégagée comme corrélative de l’ex-sistence (soit:de la place excentrique) où il nous faut situer le sujet de l’inconscient, si nous devons prendre au sérieux la découverte de Freud.

直訳:「この概念そのものを、われわれは、外への‐存立(すなわち、中心から外れた場所)との相関者として顕わにしたのであり、われわれがフロイトの発見を真剣に把握するべきであれば、そこに、われわれは無意識の主体を位置づけなければならない。」

意訳:「われわれは、この概念そのもの〔「記号的に意味する連鎖の執拗な存立〈中での存立〉」という概念〕を顕わにして、外への‐存立 (すなわち、中心から外れた場所)と相関するものとみなしたのであって、われわれは、フロイトの発見を真剣に把握するべきである以上、この〈 外への‐存立 〉に、無意識の主体を位置づけなければならない。」
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プロフィール

財津理

Author:財津理
思想研究家
法政大学教授
連絡先:za10@hosei.ac.jp

主な翻訳(共訳を含む)
ドゥルーズ『差異と反復』(河出書房新社)
ドゥルーズ『経験論と主体性』(河出書房新社)
ドゥルーズ/ガタリ『哲学と何か』(河出書房新社)
ドゥルーズ『シネマ1*運動イメージ』(法政大学出版局)
モニク・ダヴィド=メナール『ドゥルーズと精神分析』(河出書房新社)
メルキオール『現代フランス思想とは何か』(河出書房新社)
メルキオール『フーコー 全体像と批判』(河出書房新社)
オニール『言語・身体・社会』(新曜社)

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