白仁高志のドゥルーズ研究

しばらくブログの記事を書く時間がなく、読者の皆さんには申し訳ないことであった。私的かつ公的な雑用に追われていたこともあるが、書評執筆に専念していたためでもある。

畏友、白仁高志氏が、フランス語でドゥルーズ研究の本を出版した。《 Deleuze et une philosophie de l’immanence 》L’Harmattan,2006である(『ドゥルーズと内在の哲学』)。400頁を越える恐るべき大著である。

彼は、かつてドゥルーズが教えていたパリ第8大学に、2004年、博士号学位取得論文を提出し、ジャック・ランシエール、ルネ・シェレール、エリック・アリエズ、ジャン=クレ・マルタンから口頭試問を受け、哲学博士号を授与された。この口頭試問官の顔ぶれを見ていただきたい。恐るべき口頭試問であったことだろう。上記の本は、この論文に若干の増補を加えたものである。

この本の書評を早く書くべきであったが、ようやく約束を果たせることができた。日仏哲学会機関紙第16号に掲載する予定である。

現在の苦しい出版事情からして、このような本格的な研究書の翻訳を引き受けてくれるところは少ないだろうが、何とかして日本語で読めるようにしたいものだ。

彼は、渡仏してから13年以上の間、パリで研究活動を続けている篤学の士である。

最愛の弟子、顔回を思う孔子の言葉を、一部変更を加えた翻訳で引用したい。「賢なるかな回や。弁当一つ、一杯の飲み物で、狭い路地に暮らす。人はその憂いに耐えない。回は学の楽しみを改めることがない。」

哲学は、楽しい学であろうか。そう、楽しいのだよ。疲れていても、飢えていても、哲学する時間を奪われても、哲学の楽しみを忘れることなど、どうしてできようか。

明日から、ブログの記事の執筆に戻ろう。
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プロフィール

財津理

Author:財津理
思想研究家
法政大学教授
連絡先:za10@hosei.ac.jp

主な翻訳(共訳を含む)
ドゥルーズ『差異と反復』(河出書房新社)
ドゥルーズ『経験論と主体性』(河出書房新社)
ドゥルーズ/ガタリ『哲学と何か』(河出書房新社)
ドゥルーズ『シネマ1*運動イメージ』(法政大学出版局)
モニク・ダヴィド=メナール『ドゥルーズと精神分析』(河出書房新社)
メルキオール『現代フランス思想とは何か』(河出書房新社)
メルキオール『フーコー 全体像と批判』(河出書房新社)
オニール『言語・身体・社会』(新曜社)

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